« 野鳥の囀りはα波 エゾムシクイ編 | トップページ | 二十歳の頃のドイツで・・・ »

2006年8月15日 (火)

愛着のある本

愛着のある本というものがある。 吉田健一氏の「書架記」もその一冊である。吉田茂首相の息子で、文学青年、若き日にイギリスのケンブリッジ遊学。同時代の日本人とはおよそ隔絶した環境で教養を身につける。この本は、氏が愛着を持つ本についてのおしゃべりなのだが実に楽しい。ラフォルグとかプルーストとかボードレールとかヴァレリーとかこんな高級な?本をいとも簡単に原語で読んで、手に入れた本の経緯なども交えた氏の本に対する愛着が感じられる。実に、楽しそうに吉田氏は語りかけてくる。 

そんな中で、エリオット・ポウルの探偵小説、という1章があって、第一次世界大戦後にパリにやって来たアメリカ人ジャーナリストで、いわゆるフランコフィルという奴だ。 パリに惚れたアメリカ人である。この人の書いたThe Last Time I Saw Parisというのは出色の出来のパリガイドらしい。 吉田氏の永井荷風の「ふらんす物語」なんて寝言に近い、というくだりを読むと、無性に読み無くなってしまったものだ。

ずいぶん昔のことだが、この本を読んで、一度、本屋に注文して入手しようとしたが、適わなかった。絶版だったようだ。 それから10数年の月日がたった。田舎に戻って、ある日、本を整理していて、この本がひょっこり出てきた。 当時はなかったアマゾンドットコムで試しに検索してみたら、びっくりだ。 引っかかって来た。 まだ、版を重ねているのだ。 早速注文した。英語の本なのだけれど、戦間期、最後の光芒を放ったパリの香りがする本に違いない。実際に読んだら、がっかりするかも知れないが。こればっかりは、読んでみないと分からないが、胸が時めいてしまう。

« 野鳥の囀りはα波 エゾムシクイ編 | トップページ | 二十歳の頃のドイツで・・・ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 愛着のある本:

« 野鳥の囀りはα波 エゾムシクイ編 | トップページ | 二十歳の頃のドイツで・・・ »