2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

« 気ままにおしゃべり(5) 映画「天井桟敷の人々」 | トップページ | 身近な生物たち その(1) ヤモリ Gecko(英語) 壁虎(中国語) »

2007年2月 5日 (月)

北朝鮮再び・朝鮮半島の宿命

朝鮮半島は、今でも大国の草刈り場だ。

テレビ(NHKのBS放送)で、間もなく再開される「六ヵ国協議」に先駆けてのロシアの北朝鮮専門家のインタビュー報道を見た。なるほど、と思われるコメントがあった。トカチェンコ氏は旧ソ連時代から北朝鮮の専門家として知られ、現役引退をした現在も、ロシアでは朝鮮半島問題のご意見番だそうだ。以下、同氏のコメントを踏まえながら、自分の考えを述べてみたい。

北朝鮮問題の鍵をにぎっているのは中国だ。そして、中国がこれまで取ってきた政策は、北朝鮮を「生かさず、殺さず」というもの。中国は大変賢い政策をとっているのだという。

中国が一番恐れているのは、北朝鮮が、中国から離反して、アメリカ(政治・経済的に)や日本(経済的に)との結びつきを強めることだという。何故か?トカチェンコ氏の話では、中国は北朝鮮は自分たちの領土!だと考えているからだ。数年前だが、中国の公式的な歴史見解で、高句麗はかつての中国の一地方政権であった、と発表して韓国政府が抗議したことがあったことを思い出してしまう。

政治というのはまことに複雑にして厄介である。中国の東北地方には約200万の朝鮮族がいるのだそうだ。彼らの日常生活は、朝鮮語で文字もハングルを使用しているバイリンガル(公式の場では、中国語を話す)の中国人なのだそうだ。朝鮮族というと、日本にも数十万の単位で(朝鮮半島の“合邦”による影響)、さらに、アメリカ合衆国にも百万単位でいるのだが、さらに、ロシアにも朝鮮族がかなり存在している。この朝鮮族の分布~国境を越えた分布~は、ロシアの極東進出、日本の満州国建国などの帝国主義時代の影響もあるが、もともと、いわゆる、中国東北部は、ウラルアルタイ語族の言葉を喋る半遊牧・半狩猟民族がすむ地域だったという歴史的背景があるのだ。

いずれにしても、朝鮮半島周辺の大国(中国、ロシア、アメリカとその子分である日本)にとって、朝鮮半島が統一するということは別の意味で厄介という事情があるようだ。 韓国が4000万、北朝鮮が1500万~2000万として、韓国主導で南北統一が実現すれば、人口6000万前後の大国が出現してしまう。中国・東北部の朝鮮族やはたまた、沿海ロシアの朝鮮族にも影響することは必至である。メキメキと力を着けている韓国の資金と技術力、北朝鮮のただ同然に近い安い労働力が合体すれば、また一つの大きな政治力が出来上ってしまう。

しかし、現実は甘くない。どの大国も本音では、朝鮮半島の現状維持を望んでいるようなのだ。韓国ですら、南北統一省を作っているが、本音は、当面、現状維持なのではないか?ドイツの統一の先例がある。共産主義陣営の優等生をもってしても、旧西ドイツの資本主義市場で東ドイツは使いものにならない、ということが広く一般に知られることとなってしまった。況や、北朝鮮に於いてをや!統一後の困難と必要なコストを考えると、現状維持政策を取らざるを得ないのだという。

結局、南北分断という現状は、建前上、「悲劇」であり、南北統一は「悲願」のはずなのだが、本音のところでは、誰もが、望んでいることなのだ。 北朝鮮の国是は、「南朝鮮」の開放だそうだが、もはや、これは夢物語だ。おそらく、金正日ですらもう、信じていないだろう。豊かになった韓国人で、北からの開放を望む人は皆無といっても間違いないだろう。

よくよく考えると、朝鮮半島の構図は、19世紀末と全然変わっていない。唯一の例外は、20世紀の前半、日本が、日清・日露戦争の勝利から日本の敗戦まで、その間の朝鮮併合と満州国時代である。そして又、没落したヨーロッパのプレーヤーが現在はいないということだろうか。アメリカは、東アジアに対するコミットメント政策を維持しているが、もし、何らかの理由で東アジアから手を引くことになれば、事態は、7世紀頃の極東情勢と同じになるであろう。

当時はまだ、ロシアなるものは極東まで進出していなかった。21世紀の現在、ロシアは、もともとヨーロッパ指向で、ソ連崩壊以来、極東での積極的関与は控えている。既得権益はしぶとく維持しているが・・・。とすれば、朝鮮半島は、もともとの東アジアの大国中国ともう一方の大国アメリカ及びその同盟国日本との間で、翻弄される存在であり続けることになる。

7世紀、朝鮮半島では、3国鼎立で覇を競っていた。朝鮮半島中部に割拠していた新羅が、南部の百済と北部の高句麗を、唐と結託して滅ぼして、南部・百済と関係の深い日本勢力を朝鮮半島から追い出して、朝鮮半島を統一すると同時に、唐の朝貢国(服属国)となった。これが、朝鮮半島の宿命となった。日本離反と中国への追随である。19世紀末でも、日本からの圧力に、まずは、清に頼り、日清戦争で清が退くと、今度は、ロシアに頼り、日露戦争で、ロシアが退くと、あとは、日本の独壇場となってしまった。

朝鮮半島の悲劇とは、常に周りの大国を見ながら、内部分裂を余儀なくされてしまう、地政学的な宿命ということになるだろうか?

(続く)

« 気ままにおしゃべり(5) 映画「天井桟敷の人々」 | トップページ | 身近な生物たち その(1) ヤモリ Gecko(英語) 壁虎(中国語) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 気ままにおしゃべり(5) 映画「天井桟敷の人々」 | トップページ | 身近な生物たち その(1) ヤモリ Gecko(英語) 壁虎(中国語) »