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2007年3月29日 (木)

旅の記憶シリーズ(2) ドバイのスークを歩く。

2003年の2月と3月に2度、仕事の帰りに1泊ずつした。これが、あのイスラム教の世界なのだろうか?我が目を疑う町だった。アラブ首長国連邦にあるバブリーな町である。

2月だというのに日中は真夏の日本のようにメチャクチャ暑い。建物の中は、クーラーをメチャクチャ効かせて涼しいのだが、外に出たらもう大変である。気温は、30度をはるかに超える。

アラブの問題はアラブ人が少ないことではないだろうか?この国も、いわゆるアラブ人よりも、インド人、パキスタン人、スリランカ人、アフリカからの黒人、東南アジアからフィリピン人、タイ人がいわゆる普通の労働力として住んでいるのには驚いた。

タクシーの運転手というと決まって、インド人かパキスタン人だ。ホテルのスタッフやレストランのウェイター・ウェイトレスはフィリピン人やタイ人が多いような気がする。ロシア人がいるのにはこれまたびっくりした。最近は、ロシアからもかなりの人が観光でやってくるという。

市内観光や砂漠サファリツアーのドライバーだが、私の場合、アフリカは、ザンジバル出身の黒人ドライバーで、日本語ガイドはスリランカ人、という具合だった。ちなみに、夕方からの夕食付きサファリツアーでは、大阪出身の独身女性の二人ずれとオーストラリアに孫夫婦を訪ねた後、帰国途中にドバイに寄ったというイギリス人夫婦と一緒になって楽しんだ。

何という人種の多様さであること!聞くところによると、この国には税金がないのだそうだ。石油収入でいわゆるアラブ首長国のアラブ人は、生まれながらに裕福な金持ちで、投資家ばかり。仕事をするのは皆外国人ということだそうだ。

大阪からはエミレーツというアラブ首長国連邦の国営機(というか王室の所有)の直行便が飛んでいる。日本人が一人歩きしても安全な町、というのがこのドバイ。お隣りというか海を隔てたイラクでは内戦状態で沢山の人が死んでいるのが嘘のようだ。

カザフスタンやクウェートでの仕事で疲れ、日本へ帰国するためにやむなく、たまたま一泊しただけだったが、貪欲に観光をした。見るところは正直に言ってあまりない。イギリスの植民地だったころの砦の後が、博物館になっていた。季節柄なのか、アマツバメが盛んに飛び交って、砦の石垣の隙間に入り込んで巣を作っていた。

クリークでは日本でもおなじみのユリカモメがいた。フェリーでクリークを渡ると、すぐそこに大きなスーク(アラブの市場)があった。雑貨屋が多いが、目を引くのは、香辛料を扱う店がやたらと多いことと、それから金細工の店だ。店を冷やかしながら、サフランを大量に安く購入した。日本で買うサフランはとても高価だからだ。あと、目に付いたのは「乳香」という香料だ。宗教の儀式にも使うらしいし、医薬品としても使うものだそうだが、日本人にはなじみがない。きょろきょろしていると、隣にドイツ人らしき団体がやってきてドイツ人のガイドが、スークの香料についてひとしきり、ドイツ人らしい徹底した説明をやっていた。

半日、このスークをあっちこっち、気ままにぶらぶらするだけだったが、エキゾチックで飽きなかった。途中、びっくりしたのには、ISETANという店を見つけたときだった。日本の伊勢丹とはまったく関係のない、いわゆる雑貨屋であった。

この日は、どういうわけか、あちこちでラジオに聞き入る浅黒いインド・パキスタン人の姿を見かけた。何か、スポーツ中継に聞き入っているようだった。歩き疲れて、とあるお土産屋を覗いていたら、彫りの深いインド人らしき男と目があった。さっそく、人なつかしそうに、彼がやって来た。 

日本人か? そうだ。あなたは? インドから出稼ぎに来ている。 単身で来ていて毎月、家族に仕送りしているという。ラジオでは一体何を放送しているのか?インドとパキスタンのナショナルチームによるホッケーの対抗戦だ。 なるほどぉ~。

それで、皆、一喜一憂しているのが分かった。インドとパキスタンは、宿命のライバルであり、ことごとく対立している。サッカーの日韓戦みたいなものだろうか?

かくして、私は、タクシーに乗り、これまた彫りの深いインド人のドライバーの運転で、インド対パキスタンのホッケーの試合中継の話をしながら、ホテルに戻った。シャワーを浴びて、さっぱりして、クーラーの効いたレストランでアラブ料理のビュッフェの昼食をたっぷりと取る。羊の肉がこんなに美味しいとはまったく知らなかった。

満ち足りた私は、そのまま、空港に向かい、シンガポール航空でドバイを後にしたのだった。

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