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2007年4月 6日 (金)

味の記憶 その5 カツレツ~ キエフ風チキンカツレツ・狩人風カツレツ・ウィーン風カツレツなどなど

阿川弘之氏の「食味風々録」をぱらぱら読んでいたら、ビフテキとカツレツの章で、同氏がパリで食べた「コットレット・ア・ラ・キエフ」のくだりに出会い、思わず、そうだぁ、と呟いてしまう。私にも思い出がある一品である。

ロンドンで仕事をしていたころに出会った料理だ。来る日も来る日も仕事に追われ、ロンドンという食事には期待できない?大都会で、毎日をジャンクフードで打っちゃる日々だった。が、夜は若い日本から派遣されてきた研修員とよくイタリアレストランやハノーバー・スクウェアーにある日本料理店に出かけてはお腹一杯食べたものだ。

パスタやピザ、カツどん、餃子、チャーハン、ラーメン、焼肉定食、鯖の塩焼き定食にあきあきしていたある日、会社の近くのイタリアレストランでメニューを見ながら、何か違うものを頼んでみよう、ということで、Chicken Kievというのを頼んでみた。誰も食べたことのないメニューだ。どんなのが出てくるのか?あまり期待しないで待っていた料理だったが、出てきたのはチキンカツレツだった。

こんがりと狐色に揚げられた鶏肉。ナイフを入れると、バターとレモンとニンニクとパセリの混じったスープが中から溢れ出て来ていかにも美味そうな匂い。一口頬張ると、メチャクチャ美味かった。これをきっかけに、病み付きになってしばらくは、このキエフ風チキンカツレツを贔屓にしたものだ。

カツレツというと、ミラノ風カツレツ、ウィーン風カツレツとあるが、こちらは、豚肉とか仔牛肉を使っていたと思う。ドイツ語では、Schnitzel(シュニッツェル)と言う。1976年に初めて海外に出かけてこのシュニッツェルを食べたのは、チェーンレストランWienerwald(ウィーンの森)で場所は北ドイツのハノーバーだった。学生でお金もなく、お腹がすいていたので、ウィーン風カツレツに山盛りのフライドポテトは美味かったことを覚えている。

次の記憶は、やはり、ドイツのフランクフルト郊外の地元レストランで、取引先の方にご馳走になった「狩人風カツレツ」(Jaegerschnitzel)であった。これは、カツレツに盛り沢山のキノコを使ったクリームソースがたっぷりかかった料理だ。

元祖オリジナルはミラノ風カツレツだと聞いた。フランス料理だって、イタリア宮廷料理が17世紀以降に洗練されて出来たものだ。イタリアは偉大なり。残念ながら、ミラノには出かけたことがないので、ミラノ風カツレツは味わったことがない。しかし、ミラノの伝統は、ハプスブルク帝国の支配時代を通じて、ウィーンに根を下ろし、今ではオーストリアを代表する?定番メニューの一つとなっているようだ。

数年前のある日、ウィーンにはかなり造詣が深い会社の先輩に連れられて、池袋は江古田にあるレストランに出かけて、ウィーン風カツレツなるものを賞味したことがある。学生時代に海外で食べて美味しかった記憶があるのだが、実は味覚そのものはすっかり忘れていたのだった。 シェフが作るウィーン風カツレツは、すでに中年の域に達して、多少は修行を積んですれているはずの自分の舌を納得させるだけの見事なものだった。

そのレストランのシェフは、日本人で、確か、横浜グランドホテルの厨房で修行して、海外に飛び出し、ウィーンに流れ着いてさらに腕を磨いたそうだ。確か、そうだった。カツレツも美味かったが、いっしょに食べたリゾットも美味かった。

ロンドンのキエフ風、フランクフルト郊外の狩人風、日本は江古田のウィーン風のカツレツ。どれに軍配を上げるか?これは、ちょっと難しい。強いて言えば、やはり、バターとレモンにニンニクとパセリがミックスしたロンドンの、もう名前は忘れてしまった、ニューボンドストリート界隈にしては、すこし、安っぽいイタリアレストランで食べたあの、Chicken Kievになるだろうが、狩人風も、ウィーン風カツレツも、又、機会があれば是非賞味したい料理である。

(続く)

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