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2007年4月26日 (木)

本と戯れる~私の濫読(2)

本をパラパラめくりながら、物思いに耽っていると午前中はあっという間に過ぎてしまった。

昼食を取って、しばらくゴロゴロしながら休む。そして、昼寝でもしようかと思い2階のベッドにおもむろに入る。たまたま目に留まったミケシュの「いかにして70歳になるか」を手にする。英語版だ。1度読んだことがあるが、随分昔のこと。最近は、仕事柄、しっかりした英語を勉強せねばと、持っている英語関連の本を再読し始めた。辞書を引かずに、100万語読む。確かに、辞書を引かなくても大体の意味は分かるし、ストーリーに引かれてずんずんと読み進めた。著者はハンガリー出身のジャーナリスト。第二次世界大戦勃発とともにイギリスに亡命・帰化してしまったがこの本は晩年に書かれた自伝である。

第1次世界大戦直前にハンガリーの田舎町に生まれ、敗戦とハプスブルク帝国の崩壊、ジャーナリストになる夢を追いかけ、両親と妥協の末、ブダペスト大学で法学博士号を取る勉強の傍らジャーナリスト修行との掛け持ちの日々。映画や舞台の批評を書き、女優と浮名を流したりする。ミュンヘン危機とロンドン取材。第二次世界大戦中でのBBC関係の仕事。1945年、祖国解放の年、母国ハンガリーには帰国せずにイギリスに留まる。

出版した「いかにして外人になるか」はベストセラーになり、以後ユーモア作家として成功する。数々の旅行記を著す。高名な数学者である弟が勤めるプリンストン大学ではアインシュタインと知遇を得て自著を献呈したくだりや、同じブダペスト出身の作家アーサー・ケストラーとの出会いと友情関係の話が出てきたり、ハンガリー危機の際のBBC取材や、趣味のテニス、妻、子供たち、人生訓、そして、時折織り交ぜられるジョークが楽しく、あっという間に再読完了。日曜の午後、外は天気が悪くて寒かったが、いい本を読んだあとの余韻に浸ってポカポカ気分になる。

アーサー・ケストラーは気になる作家だ。ミケシュの著書で知っていたが、第2次世界大戦前から戦後の1時期にかけては、ジャーナリスト兼政治的著作物で著名であったが、ある時期を境に、哲学(科学論・オカルトなど)にのめりこんで、次々と本を書き、最後は、病を得て婦人と心中してしまった。手元には、彼の後期の著作「ホロン革命」や「機械の中の幽霊」もあるし、自伝で唯一翻訳が出ている「目に見えぬ文字」もある。さらに、ロンドンのチャリングクロスの本屋で偶然購入した評伝「Arthur Koestler Homeless Mind」(英語版)も本棚に見える。いずれも読みかけのまま放り出しておいたものだ。唯一読破してのは彼の「スペインの遺書」である。スペイン市民戦争の取材で出かけて、フランコ政府軍の捕虜になり死刑の判決を受けて収容されてイギリス政府関係筋の尽力で解放されるまでの自分の心中を綴ったドキュメントである。毎晩死刑囚の銃声を聞きながら・・・いつ自分の番が来るのか、おびえながら・・・。

書き出しの1行で、魅了されて引き込まれてしまう本がある。ケストラーの「目に見えぬ文字」もそうだった。

「清らかな泉に赴くように、私は共産主義に赴いた。そして、水禍に見舞われた町々の残骸と溺死者の死体の散乱する汚濁の川から這い上がるようにして、私は共産主義を捨てた。」

東京は八重洲ブックセンターで偶然この本を見かけて手にしたとき、最初のページを開いてこの書き出しに出会ったとき、「雷に撃たれたように」惚れ込んでしまった。定価6000円。高いなぁ。本棚に戻した。その後、何度かこの書店に立ち寄るごとに、この本のそばを通りかかると、この本が気になり、そのたびにこの本を手にして、最初の書き出しを読み返し、目次を眺めたものだ。その後忘れてしまっていたが、数年後のある日、再びこの本を目にして、ついに購入した本だ。こうなると、本の内容よりもその出会い方と書き出しだけで購入したのか、といぶかりたくなるが、現在四分の一まで読了している。 

夕方、家族で夕食団欒のひと時を過ごす。そして、お風呂に入り再び2階へ。再び英語の本に手を伸ばす。「Excuse me, Miss, have you seen the Acripolis?」だ。副題が、A Foreign Woman’s Guide to Greek Godsとある。今から20年以上前のこと、アムステルダムで研修していたころ、友人とアテネに遊びに出かけた。確か、5月のことだ。23日。ジュネーブ経由で今はもう無くなってしまったスイス航空で飛んだ。到着してタラップを降りてビックリしたのは、ヨーロッパの香りというより、中近東の香りを強く感じたことだ。エキゾチックだった。タクシーで街中のホテルへ。併走するオートバイには胸毛が見えるにやけたギリシャの色男が、後ろにこれまた挑発的な美女を乗せていた。

青いエーゲ海と白い家々が軒を連ねるエギーナ島では沢山の蝉が真昼時あたり一面で鳴いていた。アテネのリカビトスの丘、パルテノン神殿、シンタグマ広場、ウーゾ酒の香り、ブズーキという弦楽器とギリシャの踊り。泊まったホテルは道路に面していて、夜通し車が行きかい、煩くて眠れなかった。すべては遠い昔のセピアカラーで忘却のかなたに消えようとしている。

黄色い背表紙のこの一冊の本。アテネに魅了される北欧、イギリス、ドイツ、アメリカ、オーストラリアの白人女性たち。いわゆるプロテスタントの国々の白人女性たちが、イタリア人以上に?情熱的なギリシャ人男性に追い回され、女として目覚め、恋に落ちていく。女性向けのユーモアたっぷりの指南書である。シンタグマ広場で、エーゲ海の島々で、バスの中で、ディスコの中で、いたるところで、貴方はギリシャの男たちの恋のターゲットになる。

最近は知らないが、バリ島は恋を楽しむ独身の日本人女性の隠れたスポットであると聞いたことがある。豊かな国で生活しながら、何か物足りないのが人間の常。主人公のサンドラは一旦、ギリシャを去り、ニューヨークの友人の家に身を寄せるが、忘れられないギリシャの味。最後は、再びギリシャの地を踏むところでハッピーエンド。だが・・・・その後のサンドラはどうなっただろうか?映画「卒業」のダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスのその後が気になるように。など、つらつら思いながら22年ぶりにこの本を読了。

(続く)

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