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2007年8月18日 (土)

旅の記憶シリーズ(6)アルマータ

アルマータ(現地ではアルマトイと言うらしい)と聞いて、何処にあるのかすぐ答えられる日本人はそういないと思う。 旧ソ連から独立した中央アジアの共和国カザフスタンの都市である。「リンゴの町」という意味らしい。

ロシア人が作った街だ。街中を歩くと、あの懐かしいロシアの匂いが充満していた。ウォッカとロシアタバコと燃費の悪そうなガソリンの排気ガスが混じったような匂い。 街の雰囲気だが、同じイスラム教とは言え、アラブのイメージとは程遠く、長い旧ソ連共産主義時代の影響を受けた、世俗化したイスラムの国、ということになるだろうか? 

カザフスタンとはカザフ語(トルコ系言語)で「カザフ人の土地」という意味らしい。商談で東京の見本市に訪れていたウズベキスタン人と話したことがある。あの広大なユーラシアの草原に住むトルコ族の末裔、つまり、西はトルコ共和国から中央アジアを経て中国の新疆・ウィグル自治区にいたるまでの人々が話す言語に大差はなく、いまでも普通にしゃべってコミュニケーションが取れるのだと言う。

仕事上のことで詳細は書けないけれど、中央アジアのひとつカザフスタン共和国のかつての首都・アルマータ(首都はアスターナ、地元の国営航空会社もアスターナ航空と言う)を2度訪問した。2003年の冬の2月に一度、3月にもう一度。 給油の為に早朝到着し、一旦市内のホテルにチェックイン、休憩して、夕刻再び次の目的地への移動、というただそれだけの為に滞在しただけだったが。

空港で気づいたことだが、ドイツのフランクフルトから直行便が乗り入れている。大韓航空も飛んでいて韓国からも人が沢山来ているようだ。冷戦が終わって、西側諸国の資本が投下されているのだ。もちろん、地勢上、大国ロシアと中国の勢力の狭間でいろいろと両国からの直接・間接の影響力は大きいだろうことは言うまでもないことだが。

チェックインした、ホテルのスタッフはと言うと、英語がちゃんと通じる。当たり前だ。どうも白系ロシア人が幅を利かせているような感じだ。しかし、トルコ系との混血種らしい、あるいはモンゴル系の特徴を刻んだような顔立ちのスタッフもいる。

エレベーターの中で、ロシア系ビジネスマンと思しき人から、「キタイ?(中国人か)」と声を掛けられた。「ニェット、ヤポンスキィ(いいえ、日本人です)」と答えた。

部屋に入る。テレビをつけると、丁度、マドリッドの地下鉄でイスラム過激派の爆弾テロ事件があったというCNNのニュースが流れていた。 

世界どこに行っても変わらないと思われる極めて衛生的かつ画一化されたアメリカ風のバイキングの朝食を取り、部屋に戻る。南向きの窓を開ける。冷たい風が入ってくる。目の前を何と、カササギが飛んできて、すぐ近くの木に止まった。ルァッキィ!双眼鏡を持参しなかったのが惜しまれる。 午前中は仮眠を取った。

お昼過ぎに目が覚める。昼食はまたホテルのレストランで食す。ランチセット。カレーソースのかかった白身魚のグリルとご飯に温野菜。味はさっぱりだった。

食後は、街中を散策した。雪が残っている街路はアイスバーンになっていた。歩きなれない自分は何度も路上で転倒しそうになった。 

道ですれ違う人々を観察する。彫りの深い顔立ちだが褐色がかったトルコ系の人々が多数派らしい。時折、ヨーロッパ人風の白系ロシア人と日本人そっくりのモンゴル系も混じっているがどちらも少数派だ。 道端で出会う10人中6人~7人はトルコ系の顔立ちであった。

市場を覗いた。沢山の生活必需品、食品(野菜、肉、魚)が並ぶ。魚は見ものだった。今まで見たこともない得体の知れない大きい魚が並ぶ。海水魚ではなく淡水魚だ。全体の印象としては、どことなく、まだ、現代文明と高度な消費生活が隅々まで行き届いたとは言いかねる、そんな印象だ。

ケバブの屋台を見つけた。ロンドンで見かけるのとほぼ同じ。しかし、肉の塊は小さかった。ピータというナン(インドのパン)にそっくりのパンに切れ目を入れて薄切りにした羊肉に生玉ねぎのスライスやパプリカの漬物とかニンニク・ヨーグルトソースを掛けて頬張る定番のサンドイッチだ。食べたかったが、やはり、お腹を壊しそうな感じの衛生管理に見えたため、見合わせた。ケバブには目がないのだが。ロンドンでは何度お世話になったかわからないあのケバブ。ドイツでも、ニュージーランドでも食べたあのケバブ・・・。

アルマアタは坂の町だ。たぶん、西のほうに向かって傾斜が上がっている。そのはるか向こうには雪を抱いた高山の峰々が見える。大変美しい。太陽の輝きを反射して神々しく見えるのだ。 

アルマアタの町にはシジュウカラが溢れていた。こんなにシジュウカラがいるとは!カササギもところどころで見掛けた。尻尾がとても長いカラスに似た鳥だ。関東地方でよく見かけるオナガと同じ仲間である。

仕事で同行した一行と夕方、ホテルで再び夕食を取る。衛生的だが、味はいまひとつのフランス料理を食べて、空港へ。 男だけの一行で酒が飲めるでもなく、無聊を慰める手段もなくアルマアタの滞在は終ろうとしたが、空港の出国手続きの際に、制服を着た若いモンゴル系の女性係官と出会ったことが唯一の慰めか? 皆で異常に盛り上がり記念写真を何枚も撮っていたら、年配の女性係官がやってきて、若い彼女に厳しい顔つきで一言二言すると、彼女は立ち去ってしまったのは残念だった。

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