2019年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

« 最後のピンボケ(4)そして誰もいなくなった・・・。 | トップページ | ニーキタ・ミハイルコフとチェーホフ~映画「黒い瞳」 »

2007年9月 8日 (土)

マルクス兄弟の映画   

始めて見たのは、アムステルダム研修時代の1984年である。それもドイツのテレビ番組でだ。今でもはっきりと覚えている。雨の降る春先のこと。憂鬱につつまれて、ボーっとして午後遅く昼寝をしてしまった。土曜日の夜だったろうか?目が覚めると外の雨はあがっていた。

住んでいたのは市内南のOlympialein付近のTintoretto Straatにある3階建てのアパートの3階だった。2階は離婚したという噂の超ボインのお姉さまで私の大家さんだった。名前は、Bongerさんだったと思う。オランダ語ではボンハーと発音する。

「春宵一刻値千金」を思わせ麗しい夕刻だった。頭がすっきりした私はテレビのスイッチを入れた。ドイツのテレビ番組はオランダでも見られる。代々の研修員が引き継いだTintoretto Straatにあるアパート(確か3階)のリビングルームにある長いカウチ(ソファ)に横になって見たのだった。

Duck in Soup(邦訳は「我輩はカモである」)という映画だった。チャップリンにはヒトラーらしき人物に扮して当時のナチスドイツをオチョくった傑作映画「独裁者」があるが、こちらの映画は、まったくのナンセンス・ドタバタ・コメディーだった。戦争の善悪などという道徳的な問題を超越した娯楽映画。

チーコ、ハーポ、グルーチョのマルクス3兄弟(実はもう1人だかもっと?いるのだけれど、普通はこの3人トリオのことをマルクス兄弟と呼ぶようだ)のドタバタぶりには最初から最後まで抱腹絶倒だった。

1980年代後半に日本でマルクス兄弟映画のリバイバル上映がありほとんど見たと思うが、どの映画でも兄弟たちが同じギャクを必ず1回はどこかで出してくれる。これなぞ、吉本新喜劇のコメディアン達が、必ず1回は観客の期待に答えて出す「よーッ、待ってました」という十八番演技であろう。

グルーチョが一番難しい。彼の早口ギャクは日本語への翻訳は不可能だろう。口ひげを描いて、腰から下を沈めて背中をまっすぐにして歩く独特の姿の口から機関銃のように繰り出されるナンセンスな駄洒落はすごいの一言だが、当時も今も彼の台詞の面白さは断片的にしかわからない。一方、チーコとハーポは、サイレント時代からの芸で子供でも笑えるギャクを連発する。チーコの曲芸的ピアノ演奏、ハーポの真面目な?ハープ演奏(プロ級の腕前)、チーコとハーポのじゃれあいは、見ていてとにかく楽しい。

ロンドンのチャリングクロスにある本屋で偶然見つけて買ったグルーチョ・マルクスの自伝を持っている。残念ながらこれも積読状態だ。両親はヨーロッパ、確かアルザス地方からのユダヤ系移民だったと思う。従って、か、どうか分からないが、ドイツ系の名前をつけた謹厳な紳士(医者とかクラシック音楽の指揮者とか)がマルクス兄弟に徹底してオチョクられる。ドイツ系だけでなく慇懃ぶった上流階級を、大衆がからかって皆で笑っている、という感じがする。

言葉で説明しても彼らの映像から溢れ出るエネルギーと面白さは伝えられないのが残念だ。 彼らを超えるコメディアンがいるだろうか?と私は密かに思っているくらい、凄いと思う。コメディの全てが出揃っている、というのは言い過ぎだろうか?素人の暴言かも知れないが。

Wikipediaを覗いてみると:

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E5%85%84%E5%BC%9F

ちなみに、最高傑作は、「オペラの夜」(A Night At the Opera)ではないかと思う。

ロンドン時代に仕事で疲れた合間には、やはりマルクス兄弟のビデオを買ってきて何度も観たものだ。(これと、ウォルトディズニーの「トムとジェリー」これも傑作だ) Classic Movies CollectionシリーズのDVDが500円で出ていて、最近購入した。たった500円で何と言う贅沢が出来るのだろうか? 何回見ても飽きが来ない映画なのだ。 

Kif_1215

« 最後のピンボケ(4)そして誰もいなくなった・・・。 | トップページ | ニーキタ・ミハイルコフとチェーホフ~映画「黒い瞳」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 最後のピンボケ(4)そして誰もいなくなった・・・。 | トップページ | ニーキタ・ミハイルコフとチェーホフ~映画「黒い瞳」 »