« Elizabeth CottenのFreight Trainを聴く! | トップページ | 気ままにおしゃべり(7) 寺山修司~丸山薫~小田実 »

2007年10月13日 (土)

気ままにお喋り(6)フレイト・トレイン~97セントのブルース、そして寺山修司氏

しばらく途切れていたシリーズだが、Elizabeth CottenFreight Trainを聴いていたら連想が次々と広がった。

Langston Hughesという黒人の詩人がいた。アメリカ人だ。私は彼の良き読者ではなないが、一冊の詩集(翻訳)をたまたま持っている。もう大分黄ばんでしまった本だ。Collected Poems of Langston Hughes (ラングストン・ヒューズ詩集) 思潮社海外詩シリーズだ。彼は列車の詩を沢山書いた。そのなかの一つに「75セントのブルース」というのがある。書き出しがイイ。

どっかへ 走っていく 汽車の

七十五セント ぶんの 切符を ください

ね どっかへ 走っていく 汽車の

七十五セント ぶんの 切符を くだせい ってんだ

どこへいくか なんて 知っちゃあ いねえ

ただもう こっちから はなれてくんだ。

    ・・・・・・

(木島始訳)

すーっと言葉が心の中に入ってくる。自分の波長に合う詩なのだ。だから、文句なしにイイ。他人がどう何を言おうが知っちゃことない!アメリカに連れてこられた奴隷の末裔として生きる黒人としての鬱屈する怒りだろう。公民権運動が全米に火をつけた1960年代よるさらに30年も前の大不況時代のアメリカだ。

アーサー・ケストラー氏の自伝「目に見えぬ文字」の中に、1930年代前半にソ連の中央アジアを取材旅行していたケストラー氏がヒューズ氏に出会うシーンの記述があった。その時もこの詩を思い出した。ヒューズ氏は当時の共産主義ソ連の招きでアメリカ黒人の解放の映画を作るために招かれていたが、アメリカがソ連を承認する政治的な駆け引きの中で滞在中に話しが流れて中央アジアで足止めを食っていたらしい。

ラングストン・ヒューズ氏のこの詩に出会ったのは、実は意外なところだった。寺山修司氏の「ポケットに名言を」という文庫本だ。二十歳前後の私は同氏の本をよく読んだものだ。田舎出の自分にとって東京はある意味で別世界であった。カルチャーショックまでとは言わないが、やはり地方出身者として違和感がどこかにあったのだろう。青森出身の寺山氏の短歌やエッセイにはいたく共感するものがあった。

(続く)

Kif_1484_2   

« Elizabeth CottenのFreight Trainを聴く! | トップページ | 気ままにおしゃべり(7) 寺山修司~丸山薫~小田実 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« Elizabeth CottenのFreight Trainを聴く! | トップページ | 気ままにおしゃべり(7) 寺山修司~丸山薫~小田実 »