2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 昨日の日記の続き~大東亜戦争とは? | トップページ | Elizabeth CottenのFreight Trainを聴く! »

2007年10月 8日 (月)

金木犀の匂いが!

秋になって天気は崩れ続けている。3連休のはずの今日は通常勤務。学事日程でこうなっている。朝から小雨模様。終日間近に迫っているイベントの詰めをする。いろいろな調整のなかで、さらなる調整をしなければならない出来事があったりで疲れてしまった。週明けの月曜日なので、残業までしてしまって・・・。トボトボと歩きながらあの匂いに気づいた。金木犀だ。芳香剤のような心地よい匂い。春先の沈丁花とはまた違うが、どちらも鼻で味わう花だろう。

夏鳥が移動を始めている。エゾビタキやコサメビタキがあちこちで目撃されているという情報があるのだが、週末は日課のユンガー精読も休んで何もしないでゆっくりとした。外出して野鳥を追いかけるには疲れすぎている・・・。

沖縄戦での歴史教科書記述のことを述べようと思っていたのに昨日のブログでは大東亜戦争などという大上段に振りかぶった論を展開してしまった。

戦争経験を語り継ぐ、ということになると私は5年前の秋に他界した母方の叔父を思い出す。叔父は帝国陸軍の軍人だった。亡くなった時、その下の弟で2年前に他界したもう一人の叔父が一枚の写真を母に見せてくれたという。軍人の叔父が満洲に派遣されていたこの写真だという。母はまだ国民学校の少女で写っている。軍刀を抱えた叔父と一緒に。もう、ひょっとしたら生きて戻ってこれないかも知れない。戦況が悪化していた昭和18年だか19年の頃らしい。

その後叔父は満洲から南方(ポナペ島!)に転戦、部下には将棋で有名な升田幸三もいた。周りの戦略的に重要な島々はみな玉砕していった中で、奇跡的に玉砕を免れて米軍の捕虜になり昭和20年の暮れにひょっこり帰ってきたのだという。祖母はてっきり戦死して帰ってこないと諦めていたらしいが、腰を抜かさんばかりに皆で大喜びしたという。

生前の叔父だが、戦争の話となるととめどもなくいつまでもいつまでも苦労話をしていた。私が子供の頃のことで、1時間でも2時間でも昔を思い出しながら語るその顔は、妙に輝いていたのを記憶している。運が良かったのだろうか?至近距離の白兵戦(近代戦ではほとんどない)や米軍の圧倒的な火力に晒らされたりという地獄のような極限状態の経験まではしなかったようだ。それでも、頭の上をヒューン、ヒューンと飛んでいく弾丸と違って、目の前数センチにプツッ、プツッと弾丸が突き刺さる時の恐怖を語る叔父の話は鮮やかに覚えている。敵の爆撃が始まると、もう精神に変調を来たして泣き出してしまう兵隊、もくもく淡々と何事もなかったように前進する中、恐怖に耐えられずに脱落してしまう兵隊。弾丸はどちらにも容赦なく当たるのだが、得てして後者がやられやすい、という話など。

戦争自体はやはり「巨大な悪」である。運命は普通の人間を「巨大な悪」に巻き込んでズタズタにしてしまう。砲弾・弾丸が飛び交う現場の恐怖感というのは身をもって経験したものだけにしか分からないだろう。いつ死んでもおかしくない状況の中で最初は神経が極限まで張り詰めて緊張するが、やがて慣れてくると無感覚にもなっていくという。死があまりにも当たり前になってしまった戦場の日常である。しかも、戦場とは「待つこと」と「退屈」することでもあるという。毎日毎日、敵と遭遇して有名なテレビドラマ「コンバット」のような派手な撃ち合いをするわけではないのだ。この辺りはユンガーの第一次大戦従軍日記にも克明に描かれている。

硫黄島の激戦がクリント・イーストウッド監督で映画化されて話題になったりしているが、沖縄戦の場合、民間人が戦争に巻き込まれたのは大変な悲劇だったと思う。そして、民間人が日本軍に自決を迫られた云々は歴史的事実であることは間違いない。アメリカ軍に捕虜となった日本人に接していたドナルド・キーン氏は、日本軍の捕虜は捕虜になったことを非常に恥じて死にたがる人が沢山いた、と何処かで述べていたように「敵の辱めを受けてはいけない」と教育されていたことこそ問題であった。それを信じて大切な命を捧げた純真な軍人たちは沢山いたわけだが、私の叔父のようにアメリカ軍の捕虜になって虜囚の辱めは受けたものの、ケロリとして元気で帰ってきた人もいる。まして、民間人で軍人に何かの運命の巡り会わせで強制されて命を捨てさせられてしまった犠牲者は沖縄戦では沢山いたのだ。これらは歴史的事実として語り継がれなければならない!

(続く)

« 昨日の日記の続き~大東亜戦争とは? | トップページ | Elizabeth CottenのFreight Trainを聴く! »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 昨日の日記の続き~大東亜戦争とは? | トップページ | Elizabeth CottenのFreight Trainを聴く! »