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2008年4月 3日 (木)

世界カタコト辞典(6)

Fuck off !!!

(英語で卑語、「うせろ、どこかに行きやがれ」の意味)

大東亜戦争の敗戦が軍国日本を大きく変えたのと同じように、ベトナム戦争を通してアメリカ合衆国は大きく変わったという。作家の石川好氏は、たとえば、それまではfuck(「性交する」という卑語)やそれに関連する卑語は普通の会話では滅多に使われなかったのが、普通に女子学生も使うようになった、という。 これだけでも当時は大きな社会的な変化だったそうだ。

とは言え、外国人である自分が海外に出かけて英語でコミュニケーションをするなかでこの言葉を聞くことは滅多にない。やはり、下品な言葉なのであり、とくに人間関係から言って一元さんである赤の他人には、fuckとか今やveryと同じ意味で単なる強調の副詞で使用されるfuckingなる言葉はやはり、使用しないものだ。

自分が日本語を話す外国人に、「クソッタレ」とか「オXXコ」とかはやはり言わないものだ。もちろん、学生時代に我が家にホームステイに来たMichael君は違った。友達付き合いをしたし、ドイツ語の卑語を沢山教えてもらった代わりに、こちらも日本語の卑語をしこたま教えてあげたのだった。したがって、ある日、グループで日光に出かけたとき、ドイツ人の女性が日本人から貰った甘いお菓子を「オマンジュウ」と言って得意げに皆に配っていたら、悪餓鬼のMichael君はケタケタとお笑いしたのだった。

さて、それでも私はロンドンに住んでいたある日、間近にこのFuck off !!!を聞いたことがある。

来る日も来る日も仕事漬けで、満足に食事をする時間もなかったのだったが、仕事が終わって帰宅する深夜、住んでいたアパートの近くの中華レストランでよくTake-away (持ち帰り)をしたものだった。そこは、シンガポール系の中国人が経営している店で、私の好物はローストダックにココナッツミルクソースをかけた一品だった。ココナッツミルクソースは、この店で毎度顔を合わせる一家の一人の青年中国人が、ローストダックに合うよ、と勧めてくれたソースで、目茶苦茶うまくて病み付きになったソースだ。確かパイナップルも入っていたと思う。これと、春巻きと白いご飯を毎回のように持ち帰って、深夜のアパートでギネスの缶ビールを飲みながら、一人寂しく食べては就寝という日々だったのだ。

そんなある日も、またこの店に寄ってまたいつものようにローストダックを注文したのだったが、この店の中国人の様子がいつもと違うのに気付いた。近くには、マレーシア系と思われる青年がいて、どうもこの店の雇われ店員で出前を担当しているようだった。電話がかかってきてすぐのこと、中国人が大声でこのマレーシア系の青年を怒鳴り始めた。客からのクレームのようだ。私にはいつもニコニコ(私の地顔がニコニコしているからかも知れない)対応してくれる中国人の顔つきが鬼のように膨らんで、大声で喚きながら、最後に一言怒鳴ったのだった。 「Fuck off !!! と。

決まり悪そうなマレーシア系の青年は黙ってその場を離れて行った。気の毒なことに・・・。

しばらくして、店の中国人はがらりと豹変、ココナッツミルクソース付のローストダックと春巻きと白いご飯を私に渡しながら、Thank you, Good night!といつもの笑顔で応対したのだった。 先ほどのあの怒りの爆発とこの穏やかな笑顔のコントラストに戸惑いつつ、Fuck off !!!とはこういう風に使うものか、と半ば感心しながらも、異常な感情の爆発と悪態にタジタジとなって、家路についたのだったが、その後、折に触れてはあの怒気を含んだFuck off !!!が思い出されるのだ。

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