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2008年6月28日 (土)

気ままに読書(2)

滅多に夢を見ないのだが、たまに見ることがある。人には言えないおぞましい夢を見たこともまれにあるが、大概見る夢は、何かを探していて見つからない、あるいは、どこかに目的地に向かって進みながら、どんどんずれていって、永遠に辿り着けない、そんな夢が多い。 そして、仕事で忙しくて疲れていたりすると、現実の仕事が夢の中に登場したりする。 つい最近も、あるイベントの場面が出てきて、それもいきなり当日の本番だった。何の準備も出来ていない。表彰状も記念品も準備できてない。何だ、何だ、何だぁ~、まったくぅ~、困ったぁ~。参ったナぁ~、ああ、もう間に合わない、助けてくれ~エ、と叫び声を上げたところで目が覚めたのだった。いい歳して、何て夢かと、苦笑してしまう。

歴史家の山内昌之氏の「嫉妬の世界史」をぱらぱらとめくる。著名な人たちの意外な側面を知る驚きの本である。 嫉妬深い森鴎外が登場する。明治の文豪と言えば、夏目漱石と森鴎外。(幸田露伴もいるが)。個人的には、夏目さんにより親近感を感じる。三島由紀夫氏は森鴎外の武士の末裔らしい感情の抑制のきいた文体に引かれたらしいが。秀才であったものの鴎外は、東京医学校では8番と成績が振るわず文部省給費留学生には選から漏れたという。先輩の手引きで、軍医として陸軍に入り屈折した心で外遊して、ベルリンで出会ったのがあの舞姫だったのだ。官界にはいっても先輩官僚に面倒を見てもらいながらあまりに高すぎるプライドで、自分の文学の中で関係者を揶揄・避難したり、意外とねちねち、嫉妬深く、卑怯な復讐ぶりには唖然としてしまう。

昭和の陸軍の天才参謀と言われた石原完爾は、逆に頭が切れすぎて凡人の東条英機の嫉妬を買い、主流から徹底的に外され干されてしまったという。恐らく、組織のなかでは扱いにくい人だったのだろう。部下としてもったら、持てあまして、振り回され大変な人、それが石原さんだったろうか?東条英機は、所謂、官僚型の秀才で気配りと調整能力は抜群だったという。片や、カミソリの如く切れまくった石原氏からすれば、東条さんは間抜けな馬鹿だったし、そういう態度で接したらしい。どうも、石原さんは、目立ちすぎて周りからは敬遠されて浮いた存在だったようだ。山本五十六みたいな人望がなかった。

似た本には、イギリス人ジャーナリストポール・ジョンソン氏の「インテレクチャルズ」がある。バートランド・ラッセルやトルストイの滅茶苦茶ぶりには驚かされる。特権階級、全てが思い通りに世界を動かせた人たちの善意の部分、ヒューマンな部分は、彼等の表の部分で我々が知っているのだが、無意識の部分での自分勝手振り、我々平凡な人間の価値基準では計り知れない脱モラル振りには驚くばかりだ。

続く

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