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2012年6月23日 (土)

久しぶりの「私の世界カタコト辞典」 ~ I am not a robot.

このところ読書三昧の日々である。 古い本は片っ端から処理をはじめているのだけれど、たまたま手にした「映画字幕五十年」(清水俊二著)をぱらぱらとめくった。

古いと言うなかれ。50歳代半ばだが、自分が青春時代(1960年~70年代)に見たアメリカ映画の字幕スーパーはかなりこの人のものだったと記憶する。

府立一中(現在の都立日比谷高校)~旧制第二高等学校(仙台)~東京帝大(経済)を出たエリートだが、モダンボーイの青年はこの世界に入った。 戦前のことだが仕事でアメリカにも出かけている。 氏の青春時代である。女遊びもしたようだ。付き合った女性もいたらしいが、プロにもお世話になったという。そのプロの女性で忘れられない女性がいた。

同氏の手帳メモには、Bobbyとあって他の名前はまったく記憶がないのに彼女のことだけは鮮明に覚えていたという。何故か、それは、事の最中での彼女の反応にあった。男性諸氏がニヤリとする手の女だったらしい。

短めのブリュネットの髪が美しい小柄な娘で、肌が浅黒かった。コネチカットの田舎からニューヨークに出て昼間はデパート(ブルーミングデール)で働いていたという。ある日そのことを氏は彼女に話すと、彼女は以下のとおり答えたという。

I am funny that way.

氏は自伝の中で半世紀前のセリフを反芻しながら、読者にこの英語の響きのよさを味わっていただきたい、とのたまう。日本語の字幕スーパーにするとどうなるか。どんな名文句を考えても、この英語にはかなわない、と。

このくだりで、私の記憶は1984年のアムステルダムへと飛躍する。残念ながら清く正しい生活をしていた!?私のことではない。私の同僚の話である。その同僚はコンピューターを専門とする理科系人間だったが私と哲学をよく語った。英語も出来た。英検1級を持っていた。その彼が、ある時必要を感じて、清水俊二氏と同じような体験を持った。彼女の「特技」にいたく感心した彼は、得意の英語で彼女に囁いた:

Please go on doing just like that.

すると彼女は答えた。

I am not a robot !

清水氏のごとくまだ半世紀は経過していないが、長くうずもれていた記憶の奥底からこんなセリフが鮮やかに蘇って来るとはと妙に感じ入ってしまった。聞き手であるより当事者でありたかったと思いながら・・・。

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