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2018年9月 5日 (水)

入院日記 リハビリ・直立歩行編 その61 コリン・ウィルソンを読み続ける。

9月3日(月) 曇り

 

4時にまた目が覚めてしまう。足の装具が外れるまであと5日、神経が高ぶっているからだろうか。

 

コリン・ウィルソンを読み続ける。読み始めたら、面白くて止まらない。難しい話になるが、フッサールに始まる「現象学」という20世紀前半のヨーロッパ大陸を席巻した哲学の潮流があった。木田元氏の「現象学とは何か」(岩波新書)を昔読んだことがある。わかったような分からないような、もやもや感が残った。

 

翻訳者の後書きにいわく:

 

「哲学は別に七面倒な学者の議論ではない。バートランド・ラッセルは〈宇宙の仕組みを理解する試み〉と言うが、言い換えるなら世界/現実に挑むために人それぞれが心に用意すべき武器ということらしい。それなくしてなんの人生ぞやだ。著者ウィルソンはフッサールの説く志向性を次のように敷衍する。

 

意識に志向性がある。私たちは単に〈物事を取り込む〉だけでない。物を見るには矢のようにそれに意識を放たなければならない。すなわち、知覚の射手だ。志向性なしで時計をみても時間を見たことにならない。志向性なしで文章を読んでも、内容を〈取り込んだ〉ことにならない(すなわち、ぼくの体験)。志向性なしで食事しても味は分からない。志向性なしでセックスしても、ただ機械的でエキサイティングからはほど遠い。・・・・・

 

初めてフッサールに接した時のことをウィルソンは〈この人の主張なら自分はこれまでもずっと実行してきたと意を強くした〉と述べている。この先達フッサールの思弁はウィルソンにおいては〈目的感〉というキーワードにパラフレーズされる。処女作で知られる『アウトサイダー』をはじめ、その後の数多くの著作で折にふれてこの志向性/目的感が問題解決の鍵として示唆される。これこそ人間の発展/進化にとって欠くことのできない推進力・・・・・。マルロー、サルトル、カミュ、フーコー、デリダなどフランスの実存主義の(往時の)主流に対する歯に衣を着せぬ批判も、求道者/哲学の実践者ウィルソンにとっては当然の〈待った〉であった」

 

 

 

長い引用になってしまったが、「現象学」の専門家によるウザったい議論は読む気もしなかったが、長年「これって何だろう」と思っていた疑問がようやく氷塊した気分になった。

 

リハビリをたっぷりやり、石窯パンのロースハムサンドとミルクの朝食。父はデイケアに出かける。涼しいからか、母は家事にまめまめしく取り組んでいる(兎に角じっとしていられない)。自分は、2階に閉じ籠り、懐メロをひたすら聴きまくる。クラシックを聞く。クラシックは、聞く曲全てが懐メロだ。

 

お昼はスパゲティー・ジェノべーゼとガーリック・トースト。

 

食後、腹ごなしに車を走らせ近くのガソリンスタンドへ。パラパラと雨が降りだした。最後に給油したのは、怪我の直前だったから4ヶ月ぶりだ。ガソリンの値上がりに驚く。

 

帰宅時、車を降りる際に、小さな昆虫に気付く。携帯カメラでスナップショット。都会の生物図鑑でしらべるとオンブバッタであった。ショウリョウバッタに似ているが。

 

Shoryo

午後は2階でCD(中国音楽のすべて)を聞きながら、ウィルソンの未読のもう一冊「カリスマへの階段(Sloucing Towards Bethlehem _ A Study of Charlatna Messiahs)」を手にして、目を通す。地下鉄サリン事件が前書きで触れられているほか、三島由紀夫の「仮面」についての分析もある。

 

Wilson2

しかし、午後のこの時間帯、いつもの如く眠気に襲われ眠りに落ちる。

 

17時前、いつもより早く父が戻る。夕食は、ビールを飲みながら、鶏のモモ肉で作った母の特製肉じゃがをたべる。仕上げは笹かまとお茶漬け。

 

蛍光灯が点いた居間で寛いでいると小さな虫が気になった。目の前のテーブルやソファベッドのシーツに時折落ちてきて蠢いている。昨夜から目立ち始めて気になっている。

 

 

 

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