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2019年6月24日 (月)

週末は天候悪し。ビーバーの「第二次世界大戦」を読み進める。

6月23(月)雲り、時々雨

シロギスの天ぷらんは断念。面倒くさい。スーパーで天ぷらの盛り合わせで代替し、7尾のシロギスは素焼きにして酢醤油で食した。シンプルな味で美味。こういう食べ方も悪くない。

終末は天気が悪く、釣行は断念した。日曜日は中潮最後の日で、満潮が夜の21時。サンマの切り身を餌に那珂川河口付近で夕方からイシモチを狙おうと朝からソワソワしていあのだったが、冷たい風が吹き、夕方からパラパラと雨。残念であった。

その代わり、2階のベッドにゴロリとなって3月以来休止していたアントニー・ビーバーの「第二次世界大戦」に再び着手。3章ほど読み進めた。

以下、その雑感:

独ソ戦開始とともに始まった戦線の背後で行われた陰惨な大量殺戮(ユダヤ人、戦争捕虜、一般市民、はたまた、ドイツ国内の精神疾患者の安楽死)はうんざりする。

7月になると英国とソ連で協定が結ばれるが(共同でドイツと戦う)、その直後、米国のルーズベルトの特使ハリー・ホプキンスがスターリンに会いに来る。現状の確認である。アメリカ大使館の軍事専門家が5~6週間でソ連は負けると考えていたが、ホプキンスはソ連は持ちこたえると結論してルーズベルト大統領に報告するくだりがあるがその判断の根拠は何なのかは本で示されていない。

ソ連に対する英国の援助と米国の援助には雲泥の差があった。イギリスの物質的援助は旧式の戦闘機や戦車で使い物にならなかった一方、アメリカのそれは軍需物資を始め食糧など圧倒的だった(議会の承認を得るために実際にソ連に届いたのはほぼ1年あとのことらしい→グロムイコの回顧録にもあった)。1945年、ソ連がベルリンに快進撃したジープや輸送車はアメリカ製であった。同様に、満州に攻め入ったソ連軍の移動に使われたのも同様であった。

スターリンは、チャーチルに、ドイツの同盟国軍として参戦しているフィンランド、ルーマニア、ハンガリーに宣戦布告するように要請したがなかなか応じなかった。冷酷な計算、つまり、ソ連は負けるだろうという様子見。チャーチルにしてみればソ連ができるだけながく持ちこたえてドイツとたたかっている間に、大英帝国の防衛固めながらドイツとの長期戦を戦い抜く体制を作っていくという冷徹な戦略の計算があった。スターリンはスターリンで、ドイツと西側の帝国主義国との血で血を洗う戦いで消耗させたかった。

ビーバーの筆致では、ルーズベルトのアメリカのソ連支援はまったくの善意、他者への施し的なものだったという書き方をしているのだが、これには疑問符がつくであろう。すでに世界の超大国であったアメリカは、第一次世界大戦においてそれまでの伝統的な国是であった孤立主義を捨てたのであり、この時期は内向的になっていたが、ルーズベルトのリーダーシップは、世界の秩序の混乱要因であった日独伊らの遅れた資本主義国の独裁国家による乱行をイギリスとソ連でが戦うのを支援して、漁夫の利を得ることで世界に君臨する(アメリカ的な民主主義と産業・商業主義を広める)ことを目指していたのだった。

スターリンのずうずうしさ:イギリスのモスクワ大使に、ポーランド東半分やバルト三国、ルーマニアなどナチスと共謀して獲得した領土(かつてはロマノフ王朝の領土であった)を戦後に承認してほしいという要求している。ハリー・ホプキンスのソ連は負けないという判断は、スターリンを始めクレムリン指導部のこのような余裕?から推察したのだろうか。

イギリスとソ連の侵略:ペルシャ(イラン)は中立国だったが、石油資源とコーカサスへの輸送ルート確保のために共同で軍を派遣して押さえた。戦略上の必要から行ったことだろうが、著者はinvade(侵攻、侵略)という言葉を使っている。日本の仏印進駐(英米の蒋介石支援ルートを封鎖するため)と同じことである。

ゾルゲのことも出てくるが、真珠湾攻撃の直前、フォン・ボック将軍の独中央軍がモスクワまで100キロと迫ったところで、ジューコフのソ連が反撃にでる。そこでの主役はシベリアから送られた精鋭部隊であった。ちなみに、孫崎氏の本「日米開戦へのスパイ」では、シベリアの精鋭部隊をヨーロッパに移動させる決断はゾルゲ情報が出る前の時点ですでになされていた(ジューコフの要請によりスターリンが決断)という。ソ連にとっての心臓はソ連の西半分であり極東はいったん捨ててもいいという背に腹は代えられない覚悟での決断だった、と。ゾルゲ情報が決定打となってソ連を救ったというのはすくなくとも事実ではない。

ソ連の強さとは広大無辺の空間と過酷な気候(冬)、無尽蔵と思えるほどの資源(人的および物理的の両方)。総勢150万のドイツ精鋭部隊が蹴散らしても蹴散らしても、どこからか湧いて出てくる戦闘部隊。攻め入って気が付くと長く伸び切ったロジスティック・ライン。分断とゲリラ作戦による後方攪乱。過酷な冬。精神も肉体もやられ戦意を失っていくドイツ軍。

アメリカもロシアもそして、中国も(そしておそらく、インドも)等は別次元の存在である。nationa state(国民国家)を超えた何かである。現状では他の多くの国と同じ振る舞うことを原則とする国際法にしばられる存在ではあるが、いざとなれば、私のいうことが法である、という行動を取れる潜在的能力を持っている。「封じ込めができない存在」とも言える。最悪は、どんな形にせよ自給自足が可能。

ルーズベルトもチャーチルもスターリンもそれぞれの国柄を背負った上での有能で稀有な「独裁者」であったと言えるだろう。ヒトラーという独裁者を持ってしまったドイツは不幸であった。ヴェルサイユ条約という欠陥だらけの平和協定がドイツに押し付けられなければヒトラーは登場しなかっただろう、と言う一部の主張があるが、歴史におけるifだとしても、十分根拠のあるように思える。残念でならないのは、日本にこれら第一級の政治家と伍していける賢明で有能な政治家がいなかったこと。いたとしても、陸軍のテロで暗殺され、結局は1945年の運命を免れなかったのだろうか。

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